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テクノロジーと心理学と、それとあとアート。自由に書きます。

北海道で爆弾低気圧に巻き込まれ、関西に帰れなくなった話(随時更新) 

※随時更新します※

 

2022/02/22 火曜日

北海道での撮影とアウトドアの旅の最終日。今日は昼過ぎに旭川駅から電車に乗り、車窓を眺めながら優雅に新千歳空港に向かい、そこからANAに乗る予定。

しかし、ホテルのチェックアウトの際に、隣のブースでスタッフさんと客が「JR…運休で…」と不穏な会話をしているのを耳にする。

詳しく調べてみると、千歳市内の記録的な大雪で滑走路の除雪が間に合っていないとのこと。JRは道内ほぼすべてで運休。高速バスも然り。

飛行機は、自分が乗る予定の便だけを残してすべて欠航になっている。

1225頃 ANAからお知らせのメールが届く。自分が乗る便も欠航になった。空港が終日閉鎖とのこと。今日中には帰れないことがほぼ確定した。

 

リルート

慌ててプランを考える。

  • 旭川空港から帰る
  • どこかで延泊して、新千歳空港から帰る

千歳市内のホテルは全く空きが無い。旭川での延泊も考えたが、明日の旭川〜千歳間の交通状況が全く読めず、少しでも近づいておいたほうが良さそうと判断した。

急遽、札幌での追加の一泊を確保。レンタカーも、業者に相談して延長&乗り捨てに変更してもらい、札幌に向かう。

高速道路で快調に向かえたのもつかの間、途中で通行止めになり、吹雪と渋滞のなか、土地勘のない下道を延々走る。最新の電動4WDでもたまに横に滑る。落ち着いて回生ブレーキ※をかけながらハンドルを立て直してやり過ごす。

※参考

雪道のような滑りやすい路面で不用意にブレーキを踏むと、ハンドル操作が利かなくなる。したがって、一般的に、雪道で万が一にもタイヤが滑りだしたら、まずはエンジンブレーキを働かせ、なんとか速度を落とすことが求められる。「ブレーキを安易に踏むな」とさえいわれるほどだ。そんな時、モーター駆動であれば、減速(回生)の強さをアクセルペダルの戻し加減で調整できるので、運転が楽になる。

実際、今回の「日産自動車雪上試乗会」では一般公道での試乗も行ったが、路面状況が常に変化する中で、ほとんどブレーキを使わずに運転し続けることができた。それによって、タイヤが滑りにくくなるだけでなく、ペダルの踏み間違いや踏み損ないによる運転ミスも予防できる。

舗装路でも同様なのだが、雪道ではいっそう、モーター走行の優位性を実感できたのであった。

電気自動車は雪上で走り、曲がり、止まるのか? 日産で実験 | マイナビニュース

 

札幌市内に入ったらひと安心…と思いきや、道路脇に除雪後の雪が高く積み上げられており、路面もボコボコになっている。車体と自分の体が大きく跳ねる。

20時前になんとかレンタカー屋にたどり着いた。

 

旅の中身はものすごく楽しかったものの、まさか最終日にこんなことになるとは。

 

 

札幌到着後

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明日は天気が少しマシになる予報の模様。一方、札幌〜新千歳間のJRの復旧がお昼前後まで掛かる目処とのこと。

飛行機は飛ぶのか、木曜の仕事に間に合うのか。

 

まあ、運を天に任せるしかないか。この状況で自分に出来ることはあまりない。

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2022/02/23 水・祝

JRをのんびり待つ作戦に

ホテルでは9時頃までたくさん寝た。

昨夜は空腹感がなく食事がブランチだけだったせいか、あるいはエネルギーをたくさん使ったのか、お腹周りが二回りほどスリムになっていた。笑


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ニュースによると、新千歳空港は再開した模様。ANAも飛びそう。あとは午後から再開見込みのJRを待つのみ。

がっかりで有名な時計台をチラ見したのち、札幌駅近くのスタバで籠城。再開の知らせを待つ。f:id:motti0804:20220223201509j:image

 

JR北海道のWebサイトをチラチラとリロードするも、情報はいっこうに更新されず。

ゆずシトラスティーをお代わりし、作業に勤しむ。

 

急変

1215 別の用事をスマホで片付けた後、JR北海道のサイトをリロードすると、

札 幌~新千歳空港間:夜から運転再開予定

に変わっていた。マジか。

 

札幌駅の南口側にある、空港行きのバス乗り場に急いで向かう。遠目に人だかりが見える。嫌な予感がする。f:id:motti0804:20220223201555j:image

行列。札幌市の碁盤の目の角を2回曲がる程度に並んでいる。地図で見ると推定150〜200メートル。気が遠くなる。

テレビ局が取材に来てる。
「ご覧ください、バスを待つ人々が札幌駅前からずらりと列をなしています」的なことを言っている。f:id:motti0804:20220223201615j:image

 

通りすがりの人が、「バスが3〜4台来たときに一気に進んだ」という話をしていた。

少し楽観視するも、いや、バス車両も運転手も急に増やせないし、始発ならともかく、空港との往復でそうそう来ない可能性もある、と思い直す。

 

シミュレーションと焦り

並び始めてから20分。バスは、自分の見えた範囲でわずかに1台が来たのみ。

地図から割り出した列の長さと、バス一台あたりの列の進み具合から概算すると、いったいあと何台来たらいいんや。。

並びながらタクシーも検討する。配車アプリで探る限り、タクシーは今ならまだ近くにいそう。しかし、バスだと1,100円で済むところ、タクシーだと推定1.5〜2万円ほど掛かることも分かった。既に昨日の交通費と宿泊費が余計に掛かってるので、なかなかに懐が痛い。悩ましい。

 

決断

さらに数十分が過ぎるも、バスは最初に見かけた一台を最後に全く来ない。うかうかしている間にも、タクシーが枯渇したり、渋滞で想定よりも時間かかるリスクもある。

せっかく長時間並んだ列。後ろを振り返るとかなりの人が増えている。

しかし、サンクコストを諦める決断をした。

 

1325 勇気を出して、列の前後の人に割り勘でのタクシー乗り合いの声を掛け、賛同してもらった。ちょうどタクシーを考えていたが値段に躊躇していた、とのこと。配車アプリで呼ぶ。

呼び出し待ち。確定までの時間が長い。どきどき。

 

1328 無事にタクシーの確保に成功。軽く身の上話をする。単身赴任の男性と、道外の大学を目指している女性の受験生。アプリによると、タクシーはすすきの方面から北上してくる模様。待ち遠しい。

 

1338 タクシーに合図するため、道の両脇に積み上げられた雪塊の合間から顔を出す。無事に気づいてもらえた。

大きめのJPNタクシー。神の車。優しそうなドライバーさん。

先程知り合った三人で乗り込む。受験生の子は、大きいスーツケースに参考書も入れてるとのこと。重そう。(かたや自分のそれには、アウトドア用品と撮影機材しか入ってない…苦笑)

全員が席に着いて走り始めると、お二人からめっちゃ感謝された。こちらこそ。

 

タクシーにて

1345頃 Google Map先生いわく、最新の混雑状況も加味して、車でおよそ1.5時間程度とのこと。彼はよくギリギリの予定を出してくるのと、予期せぬ出来事を想定して、+30分〜1時間は見ておいたほうが良さそうだ。

搭乗時刻は1640、保安検査の締切はその30分前。間に合うかどうかギリギリ。判断が遅かったか。

千歳方面に向かう高速道路は封鎖されている模様。市内の下道をひた走る。渋滞と、碁盤の交点にある信号で、なかなか思うように動かない。

これ、メンバーを四人募ってたら窮屈だったな。念の為三人に留めといて正解だった。

市街地を抜けると渋滞も信号待ちも少なくなり、快調に動くようになる。

対向車線はどうかと目をやると、場所によっては空港行きよりも混んでいる。これではバスもなかなか来なさそう。


途中で空港行きのバスを一台追い越す。タクシーのほうが速いし、途中で止まりもしない。

昨日のバスは渋滞で6時間も掛かったとのこと。そのうえ新千歳空港に着いても全面封鎖されていて、市内のホテルも空きがなく、ロビーで毛布3枚で過ごす羽目になった模様。つらすぎる。

直線なのに、前を走る乗用車の側面が一瞬見えた。
「前の車、怪しいですねー」と運転手さんが車線を変えて避けてくれる。頼もしい。

このペースなら恐らく勝てる。

1530頃 千歳市の市街地に入り、再び渋滞が激しくなる。
距離的にはもうすぐなのになかなか着かない。もどかしい。

1555頃 市街地を抜け、空港まであと10分。今度こそあと少し。ダメ押しでバスを更にもう一台抜かす。f:id:motti0804:20220223202404j:image

1604 っしゃーー、空港に着いたー!
なんとか間に合いそう。
後で移動履歴を見たところ、移動距離44キロ、所要時間2時間28分。

バスを待ってたら完全にアウト→空港ターミナルで一夜というコースだった。

お会計は15,000円強、長距離割が効いて約12,000円。
おとな二人で5,000円ずつ払い、受験生の子は2,000円で。

お二人には「このあとの道中も気をつけてくださいね」「今日は大変でしたけど、代わりに本番ではきっとエエことありますよ!」と声を掛けた。提案に乗っていただいて、自分も存分に助けられた。

運転手さんと束の間の同志に丁重にお礼を言って別れ、ダッシュ。

 

ラストスパート

新千歳空港は北海道物産展の超巨大バージョンでもあり、屋上には滑走路が一望できる展望ロビーもあったりして、みどころが非常に多い。普段であれば存分に堪能するが、今回はそんな余裕もなく、ノールックで突っ切る。

建屋内のホール?みたいなところに人がめっちゃ居た…キャンセル待ちとかやったんやろうか。

 

1610 スーツケースを自動預け入れ機に入れる。スタッフさんに案内されたブースが紙詰まりで動かない。焦る。違う機械に替えてもらう。

この時点で保安検査場の締め切り時刻ジャスト。

 

1615 保安検査場を手際よく通過。 

 

 

安堵

1620頃 ようやく搭乗できることが確定した。ゲート近くのお土産屋さんを物色。実家用のお土産を少しと、自分用のお茶を買う。

1625 まだ搭乗ゲートが空いてなかった。調子に乗って、近くにあった雪印パーラーで夕張ソフトを食べる。美味しい。

1630 搭乗開始。f:id:motti0804:20220223202328j:image

エコノミーシートの前から3番目に座る。

 

1640 定刻通りにドアが閉まる。

6列の機体なので、自分の視界に入るのは18席。そのうち、少なくとも3席が空いているようにみえる。
きょう予約画面で見たときには満席やったのに。。恐ろしい。

 


冬季の離陸前には機体に融雪剤を蒔く。
これには有効時間があり(補助魔法みたい)、混雑で離陸に手間取ると引き返してかけ直しになるらしい。最後まで油断できない。

 

1706 離陸。

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1855 伊丹空港に着陸。JRの札幌〜千歳間はまだ運転再開していない模様。

今日も、食事がスタバの軽食だけだったことにようやく気づく。

 

2200 今日中の復旧は無理やったか…

"札幌ー新千歳空港 通常運転再開見合わせ 臨時列車走らせたい|NHK 北海道のニュース" https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20220223/7000043760.html